キルヒホッフの第一法則 — 節点に流れ込む電流の総和はゼロ
I1
+3.00 A
I2
+2.00 A
I3
−5.00 A
節点バランス I1+I2+I3
0.00 A ✓ 釣り合い
パラメータを動かしてみよう
1 まず直流のまま、回路図と数値を眺める
初期状態は直流(DC)モードです。回路図の3本の枝と、結果表示の4つの値をぼんやり眺めてください。
- 上から I1 = +3.0 A、下から I2 = +2.0 A が節点に流入(矢印が節点向き)
- 右へ I3 = −5.0 A、つまり 節点から流出(矢印が外向き)
- 4つ目の値 I1+I2+I3 = 0。3つを足すとちょうどゼロ
- 「2 + 3 = 5 流れ込んで、5 流れ出す」と考えれば当たり前に見えるはず
2 モードを「交流 (AC)」に切り替える
モードを「直流 (DC)」から「交流 (AC)」に切り替えてください。3つの電流が時間とともに変化する正弦波に切り替わります。
- I1 と I2 には90° の位相差(片方が山のとき、もう片方は0)
- I3 はそれらに引きずられて、より複雑な波形になる
- 結果表示と回路図は時刻 t = 0 の瞬時値で固定表示(まだ動かない)
💡 関数は固定で I1(t) = 3 sin(ωt)、I2(t) = 2 cos(ωt)、I3(t) はそれらの符号反転で決まります。
3 グラフをホバーして時刻を動かしてみる
時系列グラフの上をマウスでホバーしてください(スマホは指でなぞる)。カーソルの位置がそのまま「時刻 t」になります。
- 結果表示の3つの値が一斉に変わる(時刻 t における瞬時値)
- 回路図の矢印も向きと長さが変わる(電流の向きが反転する瞬間も見える)
- I1 が +3 で最大のとき I2 は 0、その逆もある(90° 位相差なので)
4 4つ目の値だけ、絶対に動かないことに気づく
ホバーしたまま、4つ目の値「I1+I2+I3」だけを見てください。
- 3つの電流はバラバラに激しく変化している
- でも合計値はどの t でも 0.00 のまま(揺れない)
- つまり「節点に流れ込む量」と「節点から流れ出す量」は、各瞬間で必ず一致している
- 直流でも交流でも、位相がズレていても、この関係は崩れない
5 これが「キルヒホッフの第一法則(電流則)」
いま体感したこと — 「1つの節点で、流れ込む電流の合計と、流れ出す電流の合計は、各瞬間で必ず釣り合う」 — には名前があります。キルヒホッフの第一法則(電流則 / KCL)。19世紀に Gustav Kirchhoff が定式化しました。
流入を正、流出を負として記号で書くと となり、これは直流・交流を問わず、瞬時値で成立します。
💡 直流回路の節点方程式、交流回路のフェーザー解析、過渡応答の数値解法 — 電気回路の解析手法はすべて KCL を出発点にしています。「3つを足すとゼロ」というあの感覚が、回路理論の基礎です。
6 理解度チェック
交流モードのある瞬間 t に I1(t) = +3 A、I2(t) = 0 A だった。このとき I3(t) はいくらか?